奥州Viva

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落ち着け、落ち着くんだ!? 顔を隠せれば何だって良いんだから、代用品を捜せっ!!! そうだ! 筆頭株主が着せられていた町娘の着物があるじゃないか! それを羽織れば真っ暗闇に帰れるぞ、僕っ!? 「怖ぇな、コイツ‥」 煩い、黙りたまえ、筆頭株主! 僕への恐怖より、地表に出された僕の恐怖が怖いっ! 辺りを見渡せど、町娘の着物が見付からない。 まさか! まさか、鞄と一緒に着物までも持って行ったのかっ!!! くそっ! 抜目ない副官だぜ、伊達じゃないよ、小十郎さんっ!!!! 「どうしよう‥ この部屋で一生を終えるんだ、終わってしまうんだ‥‥」 「勝手に死ぬな! つーか、終わらせねぇよ!」 「なっ!? なに‥‥すんっ‥‥!」 「本当っ、お前、被り物ねぇと舌が回らねぇな」 筆頭株主にお姫様抱っこをされた僕には成す術なく、連れて行かれるまま執務室から出た。 奈津美~っ! 助けてくれ!真っ暗闇を失った僕は人と喋れないよっ!!! →
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