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「それ羽織ってりゃ小十郎も怒らねぇだろ」
「なになにー?」
淡いピンク色の、何て言うのだろうか‥、現代の言葉を借りるならストールだ。
2人に背を向け、マジマジと見詰める。
薄くないかい?これじゃあ丸見えじゃないか!
「羽織って羽織って♪」
騒がしい奈津美に促され、布を羽織った。
薄い布に陽射しが差し込み真っ暗闇とはいかないが、視界がいくらかぼやける。
これなら少しましになるかも。
「牛若丸みたーい♪」
「Ha!似合ってるじゃねぇか」
「ありがとう。
でも、鞄は返してよ」
「あはは、
どんだけ鞄が好きなんだよ」
「小十郎に言っとく‥」
早く被り物を卒業できたら良いなと、呟いて部屋から出て行った筆頭株主。
卒業?なにそれ?
僕は絶対に鞄から卒業しませんので、悪しからずっ!!!
「さーて、よっちゃん」
「却下。
わいたウジを掃除したまえ」
「これは強制参加だ!!!」
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