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寝癖で跳ねる髪も結ってもらい、すっかり町娘の僕。
「ありがとうございます」
「いいのよ、こんなこと」
娘が出来たみたいだと、ぎゅ~僕を抱きしめる喜多さん。
女中も少なく女っ気もない米沢城に来た僕達が可愛くてまたらないと、放してくれない。
男ばかりでむさ苦しいったらないわと、愚痴を零す始末。
「Hey!用意は出来たか?」
「政宗様‥‥、
此処は女性の部屋と心得ていますか?」
「き‥、喜多‥!(滝汗)」
喜多さんは、筆頭株主の乳母をしていたらしい。
家督を継いでも姉のように手厳しい喜多さんには、流石の筆頭株主も頭があがらない。
あの小十郎さんも頭があがらないのだ。
米沢城の裏の主、喜多さんなのだよ。
「以後、気をつけて下さい」
次、やらかしたらねぇぞ!の真っ黒い笑みを浮かべて喜多さんは、部屋を出た。
僕も喜多さんを怒らせないようにしなきゃ。
あの真っ黒い笑顔は怖ぇ‥。
「ほら、行くぞ!」
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