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「かーいかーいかいかいかい!
Σおどりゃあああああ!!!
[甲斐の虎]に殴り込みじゃあああああああああ!!!」
「静かにしろっ!」
「ワクワクが止まらねぇ!」
「はあー‥‥」
何やら騒ぎ散らす奈津美に手が負えない小十郎さんが、溜息一つで老けた気がした。
いつ着替えたのか、奈津美も町娘に着替えている。
安い物でも、それが浴衣でも、はだけやすい衣服を着ればジャジャ馬も大人しくなると、テレビで言っていたが、奈津美には関係ないらしい。
はだけようがお構いなしに走り回っている。
[おしとやか]を喜多さんに学べば良いと思う。
「おー、ダーリン♪
顔を見せない布が妖しくそそるぜぇ」
「黙ると良い」
パッカパッカ
蹄の音が聞こえ、振り返れば、先日、僕に威嚇した馬が近付いて来た。
制服姿じゃなく、牛若丸に近付いた僕を見るや否やヒヒーンと威嚇をしてきた。
僕はすかさず小十郎さんを盾に背後に回った。
恐ろしい破壊力を持つ馬といえど、鬼の眼光を持つ小十郎さんには敵わないだろうっ!
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