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生徒全員の歓声のせいだろうか。
秋の肌寒さを忘れさせるほどの熱気に包まれたグラウンド。
それもそのはず。
運動会の花形競技、クラス対抗リレーの終盤なのだ。
Cクラスの第三走者、松木が身体を内に傾け、トラックのコーナーに突入していく。
そして弧を描き終えると、一直線に加速する。
そう、アンカーである僕に向かって。
僕と松木の距離が縮まるにつれ、歓声との距離感が増していく。
静寂の中、脈打つ鼓動だけが、そのペースを上げていく。
ごくん・・・
息を飲み込み、ゆっくりと吐く。
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