消えた空

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トップスピードに到達するあたりで、風景が傾きはじめる。 体を内側に倒し、遠心力に抗いながら弧を描く。 僕のすぐ後ろに、もう一つの足音がある。 この音を、ゴールまで後方に携えておけるか。 それが叶えば、僕たちは優勝という栄誉を手にすることができるのだ。 いや、勝利を思い描くのはまだ早い。 今はただ、もっと速く腕を振り、もっと強く地面を蹴ることだけを考えるのだ。
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