2人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
2
貴方は私。
私は貴方。
…ああ、真逆か。
写すのが大好きな私。
貴方の他にもいろんな物を写してる。
でも、真似して一番楽しいのは貴方。
一番よく動くんだもの。
ガラスの向こうのもう一つの世界?
案外ロマンチストなのね。
ただの壁だけよ。
本当は私の幻影を写し出して貴方に触れたい。
そんな事をしたら捨てられちゃうかしら?
それとも愛してくれるかしら?
そんなわけないか。
でも、よく覚えておいてね。
貴方のことを一番よく知っているのは、お母さんでもお父さんでもあの人でもない、私なのよ?
貴方の細い腰も白い肌も、黒子の数まで覚えてる。
私を捨てる時は貴方の手で殺してね。
そうじゃないと…貴方を誰かに見せてしまうかもしれないわよ?
by洗面所の鏡
最初のコメントを投稿しよう!