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実際、Yは衰弱していました。食べ物が喉を通らないと言っていました。
それでも僕は、その時Yを信じてやることができませんでした。写真に写る女性の笑顔が、そんな不気味なものだとは、とてもじゃないけど納得できなかったのです。
しかし、Yは日に日に深くなっていく彼女の笑顔を目撃しています。正直、その写真を触ることさえもYには躊躇いがあったようです。
写真の変化は(あくまで推測だけれども)日付が変わるときに起こるようだ、とYは言いました。
カウントダウンだ、とYはある種確信のように言いました。
何のカウントダウンなのか、Yには分かるはずもなく、その事実がさらにYを苦しめているようでした。
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