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あの日…
桜舞い散るこの公園で、貴方はあたしに告白をしてくれた。
凄く嬉しくて…
凄く幸せで…
あの時のあたしはただただ、頷く事しか出来ずにいた。
それから二年…
またこの公園には桜が咲き乱れていて、あの日を思い出す。
ただあの日と違うのは…
『別れよう。他に好きな人が出来たんだ。』
そう言った貴方の言葉だけ…。
あたしは静かに一つだけ頷くと、彼は足早に公園を立ち去った。
”思い出の公園だったのに…嫌な思い出になっちゃった。”
落ち込んだあたしの前には、咲き乱れる桜の木々…
”あの日と変わらないのは桜だけ…か。”
ふとそんな事を思い下を向いた瞬間、頭の上から降り注ぐ大量の桜の花びらが…
「Σえ?!」
「びっくりした?綺麗でしょ?」
見た事もない男性がニッコリと微笑みを浮かべ、その後あたしの隣に腰を下ろした。
「…さっきからずっと気になってたんだ…凄く辛そうな顔して、満開の桜見てるから。…邪魔しちゃ悪いとは思ったんだけど…」
彼はそういうと頭をポリポリと掻き、あたしをじっと見つめて来た。
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