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”何なの?この人…辛そうな顔してるって…そんなの当たり前じゃない…”
戸惑うあたしに、彼は近くに落ちた花びらを拾うと、あたしに差し出した。
「良かったら話くらい聞くよ。…そんな悲しい顔してたら…桜も心配するよ?」
あたしは差し出された花びらを受け取ると、ぽつりぽつりと話し始めた。
「彼はこの公園で告白してくれたの。…だからここは思い出の公園だったんだ。…でも去年の年末くらいから、別の女性の影がちらついて…」
「去年の年末からずっと不安だったんだね?」
「うん…。それでも自分が悪いと思ってた。…あたしが『彼女』と言う存在として足りない物があるんじゃないか…って。」
あたしの瞳には次第にキラキラと輝く物が浮かんでいた。
「……どうしても…どうしても彼の事が嫌いになれなかったし…足りない物があるなら…っ…言って…欲しかった…。」
溢れ出す涙はとめどなく流れ、ポタリと落ちてなお、輝きを放っていた。
「……泣いて良いよ?辛いなら泣いて良いから。…今、いっぱい泣いて、明日は笑顔になれたら良いんだから♪」
あたしは涙でぐしゃぐしゃになった表情で、彼を見つめ続けた。
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