0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
……ごめんなさいね…。
誰かが謝ってる、誰かに謝ってる。
どうしたのだろう、目の前の白衣の女性はどこか悲しそうな表情でこっちを見てくる。
…ああそうか、僕に謝ってるんだ。
どうしたんだろう、何か謝ることでもしたのかな?
謝られることなんて…
そこで少年は気づいた。
自分がカプセルの様な形状のベッドに寝かされてる事に。
カプセルの外では、真っ赤なライトとけたたましいブザーの音に包まれて右往左往している白衣の人々が、聞いたこともないことを叫んでいる。
ここもこんなに賑やかになるんだ…。と、少年は場違いな感動を口にした。
…私を、私達を許して。
やがて、カプセルの中に甘ったるい匂いが広がる。
鼻の奥をちりちりと刺激する匂いは、やがて少年に眠りを強要する。
意識が消える寸前、少年はとてつもない爆発音と衝撃を感じたのだった…。
最初のコメントを投稿しよう!