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彼曰く私は一言で言えば「意味不明人間」。まったくもってそうでありますな。そんぐらい心得てるわい。
「じゃあどういう事さ。」
『だぁかぁらぁー』
「ちょ、言い方ムカつく。」
『あ、はい、すいません』
はい、話がまともにできない。追求してきたのはお前じゃないのかい。
『あんね、この銀色の小さな穴、綺麗でしょう?』
「あぁ?」
彼は私が指差した方向を見る。そこは私の足元にある小さな銀色の穴。
『今、私がピョンと一回跳ねたら、穴が一気に開いて、異世界に行けるかもしれない。そう思わない?』
そう言うと彼の顔は少し引き攣った。
「…………」
『ちょ、無言やめてやぁ』
「お前…そこまで病んで」
『ちげぇよアホンダラ。』
とりあえず何回か跳ねてみた。だけど現実なかなか私を離してはくれず、穴が広がることはなかった。
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