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彼と一夜を共にしたあの日から数日‥‥いよいよ両親が転勤先のシンガポールへ発つ日がきた。朝から忙しなく動き回る二人を手伝い、準備が整ったので揃って空港に向かう
「何か、寂しくなるわね」
『‥‥手紙、書くから』
「うん。ゆり、龍太郎くんと仲良くするのよ」
『うん』
初めて泊まった次の日は、質問攻めに遭った‥‥が、素直にうまくやっていけるような気がした。その旨を伝えると、二人とも安心した様子で、顔付きも穏やかだ
「ごめんね。こんなに大事な事、勝手に決めてしまって」
『ん、仕方ないよ』
突然だったんだから。近くに親戚も、おじいちゃんおばあちゃんもいないし
黙って外を眺めていたゆりたちだが、しばらく走ると車は空港に到着していた
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