焼き餅

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マンションの前まで送り届けて貰い、中に入る前にお礼を言おうと思い彼の方に向き直る。昔と変わらない坊主頭だが、顔付きは随分と男らしくなった。これなら、彼女がいたっておかしくないよなあ‥‥ 一瞬、そんな場面を想像して胸が痛んだ 『今日は、ありがとね』 「ああ。また送っても良い?」 『うん。何か昔に戻ったみたいだね』 「確かにそうかも‥‥じゃあ、おやすみ」 この日一番の笑顔を見せた慎也は、また元来た道を戻って自宅へと足を進めた さあ、帰ったら今日は炊き込みご飯の支度だ‥‥って、あれ?鶏肉あったっけ?
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