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慎也と別れたゆりは部屋のドアを開けると、狭い玄関に大きなスニーカーが並べられていたのでついでに自分のローファーと一緒に靴箱に仕舞い真っすぐリビングに向かった‥‥
「おかえり」
『ただいま。遅くなってごめん』
時刻はまだ夕方の5時前。今からご飯を炊いてしまえば、後が楽だ。着替えの時間が勿体ないと思った彼女は、手洗いを済ませるとエプロンを身に着け早速準備に取り掛かる‥‥
『あ、やっぱり鶏肉ないや』
一昨日茶椀蒸しに使ってから買い足していなかった。しかし、彼は炊き込みご飯が食べたいと言っただけで具までは指定していない‥‥ちょうど山菜があるから山菜ご飯にしようか
「お前、慎也と仲良いんだな」
冷蔵庫の前でぶつぶつと考え事をしていると、道具の手入れをしていた龍太郎が話かけてきた
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