僕らと部活

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給食の時間、なんとなく気まずい雰囲気があった。 入学してから今まで、給食の時間は毎回話してた。 なのに給食の時間は一言もかわせなかった…。 食器をかたしている時、 由里が話し掛けてきた。 「給食の時間、一言も話してなかったけど、何かあった?」 「別に何も、多分俺の体調気にしてくれたんだよ」 笑ってごまかすように言った。 まぁ、何もないのは事実だし、ケンカしたわけでもない。 そう自分に言い聞かせた。 五時間目の授業は出たは出たけど…… ずっとボーっとしてた。 ・・・と君 ・・もと君 「有本君!」 !! 美術の佐々木先生が僕に怒鳴った。 「授業中に何してるの!しっかり話しを聞きなさい!」 「すいませんでした」 女なのに、そんな怒鳴んなよ… 「机に授業の道具をだしなさい!」 俺出してなかったんだ。 自分でも今気付いた。 机の上に手をいれ、教材を取り出す。 ノート、教科書……… あれ?教科書ない。 やべー忘れた。 「教科書は!?」 「忘れました」 「はぁ―。北川さん見せてあげてくれる?」 「はい。わかりました」 えっ! そう思って戸惑っている間に、夏喜は教科書の半分を僕の机においた。 「ごめん、ありがとう」 「ううん」 やっぱ気まずかった。
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