僕らと部活

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気が付いた時、僕はベッドに寝ていた。 真上の天井は見覚えがなかった。 誰の家だろう? そんな事を考えていたとき…! ガチャ。 ドアが開いた音がした。 顔を向けるとそこには… 「あ!気が付いた?」 夏喜が立っていた。 て事は……… ここ夏喜の家!? そしてここは夏喜の部屋!? 「ごめんね。夏喜のために… 痛かったでしょ?」 心配そうな目で夏喜は僕の事を見ている。 「いや 全然。大丈夫」 笑顔を作って、そう言った。 心配掛けたくなかった。 しかし… ズキ!! 頭に頭痛が走る。 たまらなくなって、起こしていた体をまた倒してしまった。 「大丈夫!?」 その質問に うん て答える事は出来なかった。 「ごめんね……夏喜のせいで……ごめんね………」 震えた声で夏喜はそう言った。 顔を覗くと、目が涙目になっていた。 僕のせいで、夏喜が泣いてしまう……。 そんな事…あっちゃいけない。 そう思った僕は、サッと体を起こした。 「俺は大丈夫だから。あんまり心配しなくて大丈夫」 にっこり笑顔でピースまで作って僕は言った。 「本当に?」 さっきより明るくなった声で夏喜は言う。 「うん」 また僕は笑顔で言う。 次は笑顔で 「良かった」 と夏喜は言った。
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