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「本当は体調なんか悪くなかったんだ」
沈黙の中で僕は言った。
「え?」
夏喜はいきなりの事で戸惑っていた。
「俺、保健室行ったりしたけど、あれ体調が悪いわけじゃなかったんだ」
「どういう事?」
「なんか、気持ち的に疲れてたんだ。だから、授業もやる気しなくて……それで保健室行ったんだ…」
「そうなんだ」
「うん、ごめん」
俯いて僕は言う。
しかし夏喜は
「なんで謝るの?誰にだってそうゆう時あるじゃん」
予想外の優しい言葉に、僕はどうしていいかわからなくなった。
「でも、俺が仮病なんか使ったから、北川はあんな危ない目にあったんだよ」
「夏喜は………何でもない」
何か言いかけた。
何を言おうとしたんだろう?
気になって仕方なかった。
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