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「みんな緊張してるみたいだな」
加藤先生は僕に話し掛けてきた。
「そうみたいですね」
「有本は緊張してないのか?」「はい……」
けど別の事で緊張してるけど…
心の中でそうつぶやいた。
「さぁみんないくぞ」
体育館のドアがガラリと開き体育館に入って行った。
大勢の先輩たちの拍手の中僕は歩いて行った。
イスに座りホッと一息。
はっきり言って入学式やら卒業式やらは苦手だ。
退屈過ぎて嫌になってくる。
僕は軽く目を閉じた。
………………………
「寝ちゃダメだよ」
!!!
後ろから肩を叩かれ
ハッと目を覚ます。
するとそこには・・・彼女がいた。
「やっぱり 寝てたんだ」
「い いや……すいません寝てました」
「寝ちゃダメだよ」
優しい笑みを浮かべ彼女は言う。
「うん」
僕がそう言うと満足そうに彼女は笑った。
それからというもの僕は一睡もせず、目をパッチリ開けて式を終えた。
「ではこれで入学式を終わります」
校長先生がそう言って僕たちは退場した。
教室に着いてみんなが席に着くと、加藤先生が入って来た。
「みんなお疲れ。緊張した人もいるだろうから、少し休憩の時間をとります」
クラスの大半の人は小学校の頃仲の良かった友達と話していた。
僕は席に座っていたがいつめん達に呼ばれみんなのもとに。
「入学式疲れたね~」
「そうだよね とくにさぁ………」
みんなの話しは全く耳に入らなかった。
僕はその時彼女を見ていた。
一人自分の席に座りボーっと外を眺めてる彼女を。
「わりぃ、3人で話してて」
僕はそう言い残し、彼女のもとに歩いて行った。
自分でもびっくりするぐらい今の自分は積極的になっていた。
しかし
「は―い、みんな席に着いて」
またも加藤先生に邪魔された。
席に着きため息を一つした。
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