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『――… それは本当ですか!?』
女王が声を張り上げるのも無理もない。何せ、俺だって驚愕したんだぜ?あんな惨い光景にさせたっつーのが、人間のガキだっていう話しなんだからよ。
けど、まぁ… さすがに他人事じゃ済まされねぇ。あ?何でかって??んなもん、俺達スズメ蜂に初めて命が脅かされてるんだぞ!?今の今まで天下無敵を誇ってきた俺達が、だぞ!??
しかも、第四区の、あの悲惨な光景‥
第三区や第二区の連中も第四区の悲惨さに警戒を強めてるっつぅ話しだが。
『守衛、これは我々スズメ蜂にとって、存在危機でもあり、また汚名とも言えます!』
おいおい… ちょっと待てよ女王様。あんたは俺達にその汚名を晴らせと言ってるのか!?
それ、無茶苦茶じゃね?!俺、マジで行きたくないんだけど??
『……必ずや仕留めてくるのです!!』
――――……
……なんで、こうなったんだろうな。
俺は溜息つきつつ、女王の命令で第三区にいる。言わば、偵察だ。偵察部隊から例の奴がこっち(第三区)に向かっているとの報告に来たわけだが、勿論、俺達は木々に紛れて見つからないよう隠れて視察していた。
『ア、アニキーっっ!!!れ、例の人間が来ましたっ!!』
偵察に行っていた後輩が顔を青くして、俺達が隠れていた場所に駆け込んできた。
つ… ついに来たか!!恐るべき悪魔め!
拳を握りしめる俺の手は緊張と恐怖のあまり汗をかいていた…。
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