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「おっはよー」
目が覚めると、見知らぬ場所に寝かされていた。それでも、あの綺麗な声は、相変わらずの軽い調子で聞こえてくる。明るさからして、確実に朝ではなかったが。
ここはどこ、と言おうとして、私は自分の喉に違和感を感じた。
「喉、痛まない?」
私の反応を見透かしたような声が暗闇に響く。しかし、その言葉にはいたわりの感情など微塵も感じられない。
「ああ、ここは僕の部屋ね。散らかってて恥ずかしいから、電気は付けないけど」
嘘だ、と思った。でもそんな事よりも、もっと重要なことがあったから何も言わなかった。
いや、“何も言えなかった”
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