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その後もクラスメイトから次々に握手を求められ、ミライは一時間目が始まる前に満身創痍になっている。
前のメンバーと違って本当にフワフワしてるというか何というか………
世界は広いなぁ。
そんなことを考えながら一人一人の顔と名前をインプットしていく。
いつの間にかミライに自己紹介を終えた人は席に帰っていて、残りは一人となっていた。
「んで、アタシで最後よ!ミライ!アタシは獅童院 優(しどういん ゆう)
優でいいわ。
あなたの隣にいる無愛想な女の子の親友よ!よろしくね! 」
その女子は髪の毛を肩程でギザギザに切り揃えていて、身長は169あるミライと同じくらい。
彫りが深い顔立ちは彼女を『可愛い』より『キレイ』に見せていた。
………彫りが深い顔立ちでフレンドリーな絡み方。
………獅童院優
………『獅童院』!?
「あ、あの、優さんて『獅童院財閥』を仕切っている、あの獅童院ですか?」
『獅童院財閥』と聞いて優さんの体がビクッとしたように見えた。
「さん付けしなくていいわよ。
そう……私はその獅童院の娘よ?よく分かったわね」
『財閥』とは言わない優さ………優。
罰が悪そうに頬を掻いている。
「それは……珍しい名字ですし」
呼び捨てを好み、財閥を誇示しない態度。
………あいつそっくりだ。
世界は狭いなぁ。
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