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その後は無事に教科書を見ることができて、ミライは当たり障り無く色々な授業を受けていった。
そして放課後。
「今日は本当にありがとうございます。助かりました」
ミライは秋宮にお礼を言っている。
「三笠、今度敬語使ったら怒るわよ?」
秋宮は眉をピクピクさせながらミライの敬語に反応した。
そこでミライは自分の失敗に気付いた。
「あ、すみませ……いや、ごめん」
オドオドしながら言い直す様はなんだか周りをほっこりさせる効果があった。
それに対して仏頂面の秋宮。これでは、外から見たらいじめられているようである。
「なーに話してんの?」
そこに獅童院優と永沼大紀が来た。
なぜか、二人とも変にヤニヤしているのがミライは気になった。
「なあミライ、俺たちにも敬語使わないでくれよ。なんかよそよそしくってな」
大紀が微笑を浮かべながら言うと
「アタシもそうしてほしいな。タメなんだから遠慮しないでよ」
優も言った。
ミライは、転校初日にも関わらずフレンドリーに話してくれたのが嬉しかった。
(別に敬語にこだわりは無いし、いいかな)
そう結論づけると、笑顔で三人に言った。
「わかった。これからよろしくね」
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