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「で、どうなのよ」
ニヤニヤしながら追及する優。
優と秋宮は一緒に下校中である。
「だから、なんにもないってば!三笠が教科書無かったから見せただけ!他に理由なんて無いわよ!」
意地になって言う秋宮に対して、優はあきれ顔。
「言うと思ったわ………。でも、それだけな訳はないわ。
元来男を寄せ付けないクールビューティー・スクールアイドルである涼ちゃんが、男子とあんなに話すなんて異常よ!
クラスの皆もビックリだったわよ!」
ビシッと秋宮に指を差す優。
「優、あなたさり気なくひどいこと言ったわよ?
……別に私は男子を避けてるわけじゃないのよ。ただ、私の見かけばっかり見てくるから癪に触るだけ」
端正な顔立ちで、髪の毛を揺らしながら言う秋宮。
(こんなに可愛いなら思春期の男子は普通見とれると思うけど…)
秋宮の顔を見ながら思う優。
(あ、わかった!)
「涼ちゃんアレでしょ!ミライが普通の男子と違って変な目で見なかったからまともに話したんでしょ!
確かにミライはそういうの考えてなさそうだしね~。見かけは女の子だし」
「身長は中の上だけど」と続ける優。
それからも優の追及は続いた。
同時刻
なぜか大紀と一緒に帰っているミライも、
「ミライ!お前なんで秋宮さんと初日から仲良くなってんだ!
俺なんて一年間同じクラスで会話したのは『おはよう』だけなのに!!」
「それは会話とは言わないんじゃ……」
大紀の嫉妬に困惑していた。
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