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騒がしい大紀と途中から分かれ、今はミライ一人で家に帰っているところ。
周りから主に白髪に視線を向けられながら商店街を抜け、
細い路地に入るところでミライは今日一日を振り返っていた。
(なんか、楽しくて新鮮だったなぁ。誰も好戦的じゃないし、かといって内気な人も少ないし。
………爽やか系?)
鼻歌を歌いながら帰るその様子は絶対女の子に見える。
そうすると、どこの街にもいるもんで………
「なあ、お嬢さん、きれいな髪の毛してるな。一緒に遊ばない?」
いかにもチャラそうな男二人組が絡んできた。
ミライは、商店街を歩いているときからこの人達が後を付けていることを知っていたのでビックリはしなかったが、
(僕、ちゃんと男用のブレザー着てるんだけどなぁ)
軽く嘆いていた。
ミライが無視して歩いていると、
ガシッ
「おい、無視すんなよ」
チャラ男Aに手を捕まれた。
「オレらには逆らわない方がいいぜ?ここに住んでんなら知ってるだろ?帝村高校の宮司と矢島ってのはオレらのことだ」
チャラ男Bもなんか言ってきた。
ミライは少しイラっとしたが、おしとやかに笑って見せた。
「誰だかは知りませんが、手を離してくれませんか?しつこいのは嫌われますよ?」
性格が裏に入りそうなので、抑えながらミライは言った。
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