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ピチョーン……
ピチョーン………
ピチョ『ガシャーン』!!………
水のしたたる音は何かの音に遮られた。
不潔そうな道。
壁と壁の間が狭く、薄暗い。
人通りはなく、ネズミが好んで住む。
いわゆる路地裏。
そこに、爆発音が響いていた。
ゴガーン!!………
「俺たちが悪かったぁー!」
「頼むからもうやめてくれー!!」
「許してくれー!!!」
そこに、見るからに屈強そうな男たちが、体中を傷だらけにしながら許しを得ようとしていた。
その手に持っていた武器は、すべて取り上げられている。
「………」
謝られた人物は、刺すような視線で男たちを見ていた。
「お前らは、釘バットで人の寝込みを襲っておいて、立場が変わるとすぐに丸くなるんだな」
その声は、気品のあるアルト。きゃしゃな体付きをした美少年だった。
顔は幼く、女の子のようにも見える。
ただ一つ、異様な点があった。
その人物は白髪だった。
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