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「ま、この学校は、普通に暮らしてれば平穏に卒業できる。だから安心しろ」
宇野が不敵な笑みを浮かべた。
「だといいんですけど………」
僕が呟くと、宇野はフッと笑った。
そして、声の音量を上げて、
「よし、ミライはあっちの窓際から二列目の一番後ろに座れ。ホームルーム始めっから」
ミライは指された席まで移動する。
………さっきの自己紹介を興味なさげに聞いていた黒髪ポニーテールの女の子の隣の席だ。
女の子は相変わらず窓の外を見ている。
無言で座るのも嫌なので、挨拶をした。
「えっと、三笠未来です。よろしくお願いしますね」
すると女の子は、こっちに振り返り、僕の目を睨みながら言った。
「秋宮涼(あきみやりょう)。弱そうな奴には興味無いわ」
それだけ言うと、秋宮さんはそっぽを向いてしまった。
僕、悪いことしたのかな?
初対面でこんなに拒絶されるのが地味に悲しかった。
ホームルームが終わり、宇野先生は職員室に戻った。
すると、待ってましたと言わんばかりにミライの周辺に人が集まってきた。
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