†15『恩師と共に』

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飛び出して来たのは… “熊の縫いぐるみ” 歩いている。そして腕を構えている小さな熊の縫いぐるみ。 「熊…?」 「…熊だな」 たけるもぼけたもきょとん。 「おい、てめぇらあ。おいらのテリトリーに何の用だベア!」 その熊の縫いぐるみは喋った。 しかもなんともシンプルな口癖である。 「喋った…」 「熊が喋ったぞ?」 またしてもきょとんとなるたけるとぼけた。 すると熊の縫いぐるみにたけるが話しかけた。 「オレたちはこの地に守られているパワーストーンを取得しに来たんだ。決して怪しい奴じゃないよ。ただ訳あって今は必要なんだ」 「嘘をつけ!人間共など信用しないベア!あいつらのせいで主人は…」 涙目になる熊の縫いぐるみ。それをぼけたが拾いあげた。 「お前、ケツ…破けてんぞ?」 ぼけたのその言葉に熊の縫いぐるみは奮起した。 「みみみ、見るなぁー!!これだから人間は汚らわしいベア!!」 確かに。 今はぼけた自体汚らわしい。 「好き勝手しあがって…許さないベア!!」 突然霊属性の魔力が熊の縫いぐるみを覆う。 ぼけたが手を離すと熊の縫いぐるみは、大きな熊へと姿を変えてその足元を霊属性の魔法陣が囲む。 「おめぇらまとめでおいらが相手してやるベア!!」 姿が変わっても口調はかわらない熊。 「あーらら怒らせちまったぜ…」 ぼけたが苦笑する。 「先生もやっかいなこと吹き込まないで下さいよ」 たけるはやれやれとポケットから紫のクリスタル、魔属性のパワーストーンを取り出しその形を剣へと変える。 「少年!おめぇ魔属性のパワーストーンを!?良かろう、おいらが相手してやるベア!」 ぼけたも直接魔法だけで加戦しようとしたが、熊に呼び止められた。
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