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「いくベアよ!!」
幻想に満ちた熊、“幻熊 ”
幻熊がたけるを襲う。
たけるは魔属性の炎を宿した剣を構えて幻熊の素早い攻撃を紙一重で交わす。
「っ!」
「どうした少年!遅いベア!」
幻熊はたけるを惑わせ視界を混乱させる。
たけるは集中して、属性の波動を見切った。
「そこだっ!!」
剣から魔法を発動させ、魔力の波動を放つ。
「ぐあぁっ!!だベア!」
幻熊に命中。
「お前の動きは読めてる」
凜として剣を構えるたける。
「くがっ!少年、思っていた以上の魔力…だベア!!」
幻熊は目を見開きたけるに叫ぶ。
「しかしこれはどうベア?」
くっくと不適に笑う幻熊。
たけるは幻熊にふと背後を取られ後ろから背中を突き飛ばされた。
衝撃は軽いが地面に叩きつけられたたける。
「――っあ!!」
起き上がり片方の膝をついて息を調えるたける。
幻熊はたけるを睨んでいる。
たけるもまた幻熊から目線を外さずにいた。
俺は見てるだけか…。
すまないな。
だがお前も中々やるじゃねぇか…。
あの時よりは変わったな。
熊野郎、お前に魔属性しか喰らわないなんて魔法がかかってねぇことなんて、当に知ってらー。
俺は逃げも裏切りもしねぇ…。
ただ“アイツ”を
――信じることにした。
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