†15『恩師と共に』

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たけるは魔力を上げた。 パワーストーンの力によって属性の魔力が増幅されている。 「少年!おめぇは今、何のために戦うベア?」 突然、幻熊はそんなことをたけるに問いかける。 「今ですか?ぼけた先生のためですよ。先生に教えられた知識、感覚、実技、その全てを生かし戦うことが先生を守ることなんです。 “オレは先生の生徒”です、 その先生を裏切ることは出来ません」 たけるは凜として幻熊に伝えた。 ――少年よ、 おめぇは白衣の男を見捨てて逃げる裏切りではなく、白衣の男の教えを裏切れないと言うのかベア…。 恩師の教えを生かすことが自分に出来る守ることベアと、 それはつまり、 “ぼけたの教えを守るために戦うと言うこと” 「格好つけんなよ、たける。周りに女の子はいねぇぞ?」 ぼけたがたけるに笑いかける。 「誰が格好つけですか?貴方程の格好つけは居ませんが?」 たけるもぼけたに言い返して口を緩める。 「おーおう、言ってくれるな、俺は髪が乱れちまうからよ動けねぇから後は頼んだ」 ぼけたがたけるに親指をビシッと立てる。 「ほら、ナルシスト疑惑。しかも先生若干、髪薄くなってきてますよ」 「ハゲと言いたいのか!?お前は相変わらず毒舌だなー。これでもなー昔はモテたんだぜ?お前くらいの時にはなー…って、おい聞けぇー!!」 たけるはぼけたを完全に無視して襲いかかる幻熊と戦っていた。 たけるは軽い魔法を放つだけ、幻熊は嫌気がさしたのか闇魔法を発動させた。 「闇魔法…!?」 「最初から消しておけば良かったベア…闇魔法“大熊の怒り”」 たけるに向かい黒い光線が四方八方から向かって来る。 たけるはじっと剣を構えぼけたに教えられたことを思い出した。
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