†15『恩師と共に』

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「おいらは人間が争いを起こさないように精霊となって、他の精霊達と共にパワーストーンを奪い絶対に人の手に渡たらないように魔力を増幅させる魔法をかけたベア。それは自分達が負けないように…だがこの魔法は魔属性の者に封印されれば解けてしまうベア」 幻熊が話した真実。 それは人間の弱さと偏った想いが滲(ニジ)み出ていた。 「…魔界大戦、そんな戦い起こしてはダメだ」 たけるが鋭い目をしている。 「…少年よ、おめぇの魔力は欲に満ちたものでもなく、復讐でも利益のためでもない。 “守るための魔力”ベア おめぇ達になら、魔法を良い方向に導けると信じてるベア…。 今あの扉に囚われている者は、少年、おめぇの大切な人なのだろうベア…。 おいらには分かる、その想いが。 だがおめぇ達は守るために止まるのではなく、守るために進むんだベア。 それは信じているから出来ること、 おいら達に欠けていたことは、憎しみと焦りだけが強過ぎて、信じる気持ちを忘れていたんだベア…。 目に見えない魔法の輪。 それは信じる気持ちで繋がる輪。 互いに手を取り合って広がり続ける信頼の輪。 おいらもおめぇ達の輪の中に入りたいベア」 幻熊は優しい表情を浮かべた。 たけるは剣をパワーストーンに戻してポケットにしまうと、幻熊の前に歩いて止まった。 「良いですよ。オレ達は貴方の味方です」 たけるは幻熊に向かい、優しく口を緩めた。 「ありがとうベア…だが他の精霊達はまだ人間を嫌っているベア…」 「大丈夫ですよ。貴方はオレ達を信じてくれました。貴方と想いが同じならきっと分かってくれますよ」 たけるは落ち着いた声で答えた。 「良い奴だな、少年」 「たけるです。貴方の名前は?」 「おいらか?おいらは大熊の精霊、クウラだベア」 「ありがとう。クウラ」 クウラが霊属性のパワーストーンを渡たそうとする。 「少年…たける、おいら達の想い頼んだベア」 たけるは分かったと言って霊属性のパワーストーンを手に取った。 透明のクリスタル、霊属性のパワーストーン。 たけるはその透き通るパワーストーンを眺めた。
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