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「私の知っている事はここまでだ…」
谷川先生が話し終える。
とジェルトと言う男が谷川先生に強い口調で言った。
「親父になんか魔法でもかけたんだろうが!そんなはずはねぇ!あの親父があんたなんかに負けるはずがねぇ!なんであんたは俺には魔法を使わねぇんだ!」
オレが疑問視していた点だ…。
間をおいて谷川先生がゆっくりと口を開けた。
「私は、昔の友に裏切られたんだ…そいつの名はエビルと言ってな。エビルは第一次魔界大戦以降私達の弱さと無惨な国を見て闇に堕ちてしまったのだ…」
「エビル…」
ジェルトと言う男は何か言いたそうにしていた。
谷川先生は再び話し出した。
「ジェルト、たける君。
私がノイラント親衛隊と言う事を黙っていてすまなかった…だが親衛隊は現在は居ないんだ。
王国政府『紅』のロゼ様率いる第一部隊である自警団がこの国を取り締まっている。親衛隊は大戦で多くの犠牲を出し、私と友と国を出て行った友の三人、そして初代ガウス陛下の実の息子であるダオラス陛下の元、私達は親衛隊結成を夢見ていたんだ。
だがその夢も第二次魔界大戦で儚く終わり、それだけではなく私は国を出て行った友に魔力を奪われたんだ…アーリアに加勢し何かを探り、この国を滅ぼそうと考えるかつての友に。
この国の国王は三代目から血の繋がりはなく、ダオラス陛下が死の間際に言い残した
『強き者こそ 王者なり』
の言葉を受け今に至る。
だが私はこの国にはやはり親衛隊が必要と考えオルビス陛下へ相談したんだ。陛下は私にノイラント学園で例え魔力が使えなくとも、初代ガウス陛下の教えを活かし学園から立派な剣士を育てて欲しいと言った。
その命を受け私はここに居る。懸命に剣を振る生徒を見ると昔の自分を思い出して心が暑くなったものだ」
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