†6『大切な命』

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「ご苦労だった」 「校長先生!!」 校長先生がゆっくりと歩いて来た。傍にはノイラント王国政府紅の第一部隊の方が一緒に来て居た。校長先生が政府に連絡したらしくオレの戦いを見守ってくれていたらしい。 「かっこいいぞたける君!これでクラスの女子にモテモテだな」 そう後からオレに言ったのは、ぼけた先生だった。 「ぼけた先生!無事でしたか!」 「俺なら平気だ。それよりたける、彼女出来たら俺にも紹介しろよー俺が特別にその子に授業教えてやるからよ」 「下心見え見えですって」 オレはなんだか力が抜けて自然と笑ってしまう。 ぼけた先生は相変わらずだし、校長先生も学園も無事、学園内に居たジェルトの仲間も捕まったみたい。ジェルトは手錠をかけられて連れて行かれた。その時ジェルトはオレに何か言おうとしたみたいだけど軽く微笑み連れて行かれてしまった。 それから数日が経ち―― 谷川先生の葬儀が行われた。涙が止まらずオレはそれを受け入れることが出来なかった。 覚えているんだ…。 谷川先生が最後にオレに見せた表情が。 ある日の昼下がり、オレは学園の木の下に座ってパワーストーンを手に取って眺めていた。 「どうしたんだい?こんなとこに一人で」 ぼけた先生がオレに話し掛けて来た。 「あ、先生。谷川先生がこれをオレに渡してくれたんです。」 「それは…!?」 やっぱりぼけた先生も初めてみる石らしい。 オレは昼休みぼけた先生にパワーストーンのこと、谷川先生が親衛隊だってことを全部話した。 ぼけた先生は女子生徒ばかり見て聞いてなさそうだったけど、オレの話しをちゃんと聞いてくれていた。 「お前はどう思うんだ?あ、あの子可愛い…あれは二年かな?」 ぼけた先生がオレに聞く。 「オレは、親衛隊になります」 「お前の決めた道だ。俺は口だしはしない、ただそのためには懸命に稽古しないといけないぞ?俺がきちんと教えてやるからジュースくらいおごれよ」 「先生、ジュース代削るつもりですね。分かりました。これからも宜しくお願いします」 そうオレが言うとぼけた先生が微笑み、やがてチャイムがなったので学園に戻って午後の授業を始めた。 ――もうすぐ夏。 外は緑に溢れていた。
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