第二章

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ある暗く閉ざされた部屋の壁にでっかいモニターがいくつも設置されており、その部屋の真ん中には、一人用のシンプルな椅子と、その横に椅子と同じくらいの高さで、無造作に積み上げられた積み木をのせた、小さなテーブルがあった。 その椅子に座り、モニターをみながら退屈そうに、長いスタイルの良いその足を組ながら見ている男がいた。 「はぁ…。つまんないなぁ。 せっかく僕が仲つむまじ~く暮らしてた動物達の人間に、他の動物を殺す様にしたのにさぁ~。 やっぱり一方的に殺すーって言うのは飽きてくるよなぁ。 次はもっと面白くしたいね? そう思わない~?雨斎裡【あゆり】?」 その男は、大人っぽく、イケメンといっても過言ではないその顔立ちに似つかわしくない、子供びた口調で、自分の座る椅子の横に立つ女、《あゆり》と呼ばれているその女に語りかけた。 あゆりはクスクスと口だけで笑うその男をちらりと見て、何かを言おうとしたがつぐみ、 「そうですね…、主様【ぬしさま】。」 とだけ返事をした。 その言葉は、どこかとても切ない声をしていた。 ―――
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