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中年の男は隣に座り、何か物思いにふけるようにじっと僕の顔を覗き込む 顎に血糊が付いてた あらやだ恥ずかしい 「何が正しいのかと言うと?」 「貴方を彼らから助け出そうとした事ですよ。先生」 正確には助けられた 「ああその事ですか…」 「ええ良いでしょう分かりました答ましょう。ただ答える変わりに一つ、一つだけ質問させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」 「ええいいですよ」 これで一つだけの質問が終わったわけだが 「何故貴方は彼らに向かって猛然と立ち向かえたのでしょうか?私はそこが不思議でなりません」 カアと体中が熱くなる それが僕の正義だからとかそんな恥ずかしいセリフ中年の男に言える訳がない 「せ、先生が助けて下さいとおっしゃったからじゃないでしょうか!?」 これは僕の新たな黒歴史になりそうだ 「成る程、分かりました。まだ気持ちの整理がついていないようだ」 ハアと中年の男はため息をつく 「では話ましょうか貴方が間違っているのかどうかを」
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