敗戦

7/8
前へ
/8ページ
次へ
―うるさい… 泣かないでよ! 泣きたくても泣けない私。 沸き上がる憎悪の気持ち。 耳障りな弟の泣き声。 足元に広がるたくさんの死体はここで起こった惨劇を物語るとともに私の不安を増大させていきました。 「…姉ちゃん、腹減った…。」 ぽつりと呟いた弟の声が不意に私を現実へと引き戻す。 そうだ。 いつまでもここでとどまっているわけにはいかない。 食べ物。 食べ物を探さなきゃ…
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加