1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「もう死のう…」
男は呟いた。その男の目には遥か足元にある車や人の群れを映し出されていた。
まるで人形の目のようだ。
男が足を一歩、踏み出そうとした時。男の耳に──否。頭に声が響いた。
【死んだ事もないのにか?】
男は吹き出す。
「ふふ…一度死んだら、もう一度。なんて…無いだろう?」
【そうか】
その声は男の意見に肯定も否定もしなかった。
ただ相槌を打ったみたいに聞こえた。
「もうサヨウナラだよ」
男はふと。この声ともう少し話したいと思った。だが遅い。
男の足はもう地には、ついていなかった。
【そうか】
その声は
ただ相槌を打ったみたいに聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!