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くそ、何もできなかった。ごめんみんな優子さん……
亜兎族がいなくなった後、呆然と座っていると誰かの声が聞こえてきた。
「ハル~ハル~!!」
ん、なんだ、誰かまだ生きている人がいるのか?
聞き間違いかも知れないが、念の為声がする方を見てみた。
その方向には、髪が背中の辺りまで伸びている黒い髪に、白いワンピースを着た小さな女の子が立っていた。
「ハル、私よ!!」
「誰だよ、迷子か?」
こんな子供はこの村では見かけない顔だった。
「だからー私だってわ・た・し!!」
さっきから私と言っているやつに(私、私詐欺か)っと心で突っ込みながらも怒りを抑え、もう一度誰なのか聞いた。
「だから、誰だって言ってるだろガキンチョッ」
ガゴン💥
「あら親の顔を忘れたわけじゃないでしょうね?」
「え、優子さん!?」
何とその少女は優子さんだった。
†
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