12962人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうだ。観光課は観光客を呼び込むのに必死だ。映画のロケ地は良い観光になる。地元で有数の観光スポットであるこの温泉について、役場の観光課が知らないわけがない。きっと詳しいはずだ。あの女も役場までは手を回してないだろう」
「さすが拓郎!そうと分かれば、さっそく行動よ!」
「先輩!僕も行きます!」
手を上げた章介に、俺は首を横に振る。
「章介はダメだ。いつ、映画の影響下に入るか分からない。影響下に入ったなら、根源破壊をする俺達の邪魔をするだろう」
「大丈夫です!もう絶対に影響下には入りませんから!先輩の邪魔をしたり、令状なしに逮捕したりしません!」
「・・・・とにかく、章介はここにいろ。美奈、行くぞ」
「うん」
俺は美奈とともに一階へ降り、宿から駐車場へ出る。
「車はどこだ?車で来たんだろ?」
「あそこよ」
美奈が指差した先には、一台の救急車が停まっていた。
「あれで来たのか?」
「うん、ジャックして。でも、五日経ったけど、ずっと置いたままなの。警察が来てもおかしくないのにね」
最初のコメントを投稿しよう!