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【有賀美奈の視点】
放課後のグラウンド。
私は小さなスコアボードの横に立ち、紅白に分かれてサッカーボールを蹴る部員達の動きを目で追う
(私も・・・体を動かしたいな)
季節は冬とあって風が冷たい。動けば多少寒さも紛れるはずだ。
(いっそのこと・・・雪でも降ってくれればいいのに・・・)
大雪が降れば、練習は体育館での室内練習になる。
だが、今年はまだ初雪さえ降っていない。しばらくは寒空の練習が続きそうだ。
ピー!
前半終了のホイッスル。
選手達はベンチに走りながらユニホームを脱ぐ。風邪をひかないように着替えるためだ。そして、脱いだユニホームを受け取り、部室の洗濯機に入れるのは私達マネージャーの仕事である。
選手達は私ともう一人いるマネージャーにヒョイヒョイとユニホームを投げてゆく。
もはや慣れた。一度に何枚投げられてもキャッチするのはお手のものだ。
一枚目、二枚目、三枚目、四・・・
パシッ!
四枚目のユニホームを叩き落とした私に、小池君が口をあんぐりと開けて足を止める。
「な、なんで、僕のを・・・」
「だって、ヌルヌルしてるし」
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