第28話 薔薇の湯!再び!

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【有賀美奈の視点】 放課後のグラウンド。  私は小さなスコアボードの横に立ち、紅白に分かれてサッカーボールを蹴る部員達の動きを目で追う (私も・・・体を動かしたいな) 季節は冬とあって風が冷たい。動けば多少寒さも紛れるはずだ。 (いっそのこと・・・雪でも降ってくれればいいのに・・・) 大雪が降れば、練習は体育館での室内練習になる。 だが、今年はまだ初雪さえ降っていない。しばらくは寒空の練習が続きそうだ。 ピー!  前半終了のホイッスル。 選手達はベンチに走りながらユニホームを脱ぐ。風邪をひかないように着替えるためだ。そして、脱いだユニホームを受け取り、部室の洗濯機に入れるのは私達マネージャーの仕事である。 選手達は私ともう一人いるマネージャーにヒョイヒョイとユニホームを投げてゆく。 もはや慣れた。一度に何枚投げられてもキャッチするのはお手のものだ。  一枚目、二枚目、三枚目、四・・・ パシッ! 四枚目のユニホームを叩き落とした私に、小池君が口をあんぐりと開けて足を止める。 「な、なんで、僕のを・・・」 「だって、ヌルヌルしてるし」
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