ほんとのところ

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――――――!!! 平太兄ちゃんは僕の胸ぐらを掴んでから思いっきり平手打ちしてきた!! 「……ぁ…っ……」 僕は吹っ飛ばされた。 頬を小石で切ったのか口の横の辺りがドクドクする。 「もう一つは考えなさすぎだ!!!天狗山は大人もまともに入ろうとしない危ない所なんだぞ!そこに女の子まで連れて行きやがって!!もっと考えろ!!」 涙が出てきた。 何も言い返せない…… 「いいか?お前はな、俺にとって大切な家族なんだよ。。。 母ちゃん、二兵衛、小助。………父ちゃん。俺にとっては四人とも人生で一番大事なもんなんだ。 頼むから…… 頼むから一人で危険な事は決めないでくれ……。 良いことでも、悪い事でも相談に乗るからさ。」 泣きながら見る平太兄ちゃんの顔は涙をこらえる代わりに鼻水が垂れていた。 僕も涙が止まらない。 きっと叩かれたからじゃない。 でも…… 凄く痛くて…… どこがってわけでもないけど。 苦しくなって、 泣き叫びたい!! でも我慢する。 兄ちゃんもこらえてくれてるんだ!! 僕もがまんしなくちゃ!! 「……ご、……ごべんな……ヒッ…ヒック……ごう゛ぇんなさい……ヒック……」 「……もう、……いいよ。ちゃんと今回は『相談』してきてくれたからな。さて、今日は眠って明日このことは考えよう。おやすみ。」 そういって兄ちゃんは鼻水を拭いながら家に向かって歩いていく。 僕も少しよろけながら兄ちゃんの後を追って家にもどって布団へ入った。
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