◆心

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しかし返事は帰って来ない。 無視をされたわけではない。手巻き寿司を作るのに一生懸命になっているだけだ。しかしその出来た寿司は海苔に対してご飯と具の割合が大きく明らかに巻くというよりおにぎり状態になっている。 「あ……亜紀ちゃん…? ご飯は海苔の半分位までにして具は三種類までにすると食べやすいし、たくさん食べられるわよ?」 先に言っておけば良かったかしらと思いながら手拭きを差し出す。おにぎりと化した手巻き寿司は夫が大きな口でぺろりと消費してしまった。
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