◆心

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裕子は家の二階の部屋に案内する。空気の入れ換えにと開けていた窓を閉めてレースのカーテンをかけた。 「この部屋は亜紀ちゃんの好きに使ってね?」 「…………」 返事は全く帰って来ない。まだ緊張しているのだろうと思い、荷物を片付けていてねと告げてから部屋に一人残して彼女はリビングへ降りてきて大きく息を吐いた。 (私が緊張していたら亜紀ちゃんだって何も話せなくなるわね) リラックスしなきゃと自分に言い聞かせてお湯を沸かして気分を紛らわす。
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