◆口

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「なら、三人で行ってから遊ぼう」 ちょっと遠いけど行けるよねと言うと亜紀はうん、と頷く。掃除を終わらせた女子はいつまでも遊んでいる男子を置いて学校を後にした。 「…ただいま」 亜紀は学校から帰るなりランドセルを置いてリビングに降りていく。 「あら、亜紀ちゃん遊びに行くの?」 「うん、美穂ちゃんと結希ちゃんと公園に行く」 気をつけてねという声を背に受けて家を飛び出した。 待ち合わせのバス停に行くともう二人は来ていた。亜美の家は駅を越えた先にある都営住宅だった。同じ形の建物がいくつも規則正しく並んでいて上の方に番号が振ってある。 美穂は迷うことなく、目的の家に辿り着き階段を上がる。 「ここだよ」 表札も何もなかったが指を差してきっぱりと言い切る。その指でチャイムを鳴らそうとした所を階段の踊り場から飛んできた声に遮られた。 「あ…もしかして亜美の友達か?」
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