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日が山の端に付き始めた時刻に亜紀は帰ってきた。
「砂埃だらけね…先にシャワー浴びる?」
裕子は遊び尽くしたというその姿にくすりと笑い、内心安心していた。自分のように陰口を叩かれ、傷付き落ち込んでいるのではないかと思っていたからだ。もちろん陰口が全くないとは思えない。しかしそれをカバーしてくれるだけの友達がいるということが遊び尽くした姿には現れていたからだ。
(私ばかり周りを気にしていたらダメね)
少し見習わなきゃと呟き、タオルをバスルームに届けた。
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