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初代は裕子を見上げる。初代の肌はとても白く、入院生活であまり動くことのないその体には筋肉があまりついていない。彼女に促され、裕子は椅子に座った。
「桐島さんは私の病気の事は児童相談所のスタッフの方からどのように聞いていましたか?」
「どう……とは?資料の中には病のため養育が一時的に不可能と書いてあるだけで詳しくは私は何も……」
おそらくプライバシー保護のために伏せていたのだろうし、聞くような事ではないと思っていたので気にもしていなかったのだ。
「私は……癌です。おそらくもう長くはないでしょう」
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