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(おいで、おいで、手の鳴る方へ)
田舎の高校の裏山に、一件だけぽつんと寂しく佇む家がある。
家と言うよりは小屋に近いかもしれない。
ぼろぼろで、今にも崩れそうなその家にはこの辺りの住人同士で囁かれるある噂があった。
裏山の家にはこの世の美を集めたような綺麗な女性が住んでいる。
尾ひれがついた噂は、後にその女性を妖怪へと、幽霊へと、老婆へと形を変えた。
もはや最初に囁かれていた噂は原型を止めておらず、何が本当の話なのかを知る者は一人もいない。
(後ろの正面、だぁれ?)
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