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「なんで土谷君あんなに張り切ってるの?」
川島が首をかしげて言った。
「…さすが天然っ子だな…あれで気づかないとは…」
「まっ、それが映里の良いところであり個性なんじゃない?」
「確かにな。あれで結構男子に人気だからな、川島は」
「…カズ君も映里のこと可愛いとか思うんだー。」
頬を膨らませて神原は言った。
「男子なら誰でも思うんじゃないか?守ってあげたい的な?」
「あー、そーでーすーねー。」
神原はそっぽを向いた。
「っふ。やっぱり和人は女心が何も分かってないね。」
ふと声の主を探すと息を切らしながら湊がいた。
「なんでお前にんなこと言われなきゃならねーんだよ。」
「和人はもっと神原を大事に扱うべきなんだよね。そりゃあれだけ強暴でもさ、お前もアイツの気持ちくらいわかってんじゃないのか?」
「まぁ気づいてないわけじゃないけどさ…今の関係は友達ってわけだし…」
「そんなこと言ってたら神原を他の男に取られちゃうよ。あれでアイツもそこそこ人気だからね。」
神原が他の男と楽しく歩いてるのを想像してみた。決していい気分にはならない。
「お前もさ、もっと本気になれよ。自分の気持ちにくらいはっきり言ってやりなよ。」
久々に真剣な顔で湊は俺に言った。
「わかってるよ…だけどさ、拒絶された時はどうすればいいんだよ。それこそ神原に会わす顔がねぇじゃねぇか。」
「お前今まで神原の何を見てきたわけ?確かにたった一週間の付き合いだけどさ、神原がお前をどう思ってるかは分かってるんじゃないのか?」
「……」
俺は何も言えなかった。
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