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今までこんなことを言われたのは初めて…いや二人目か。
こんな時にアイツのことを思い出した俺はダメな奴だと思った。
恋愛感情は無くても、やっぱり懐かしさが残るってのが嬉しくないな…。
「…カズ君?ごめんねっ…気悪くした?」
心配した顔で俺に問いかけてきた。
そういう仕草ひとつでも可愛いと思ってしまう。
「やっぱ俺…神原のこと…」
「え?何?」
どうやら聞こえなかったようだ。
「何でも無いよ。早く帰ろうぜ。」
「そうだねっ。ほんとに怒ってない?」
「怒ってない怒ってない。」
俺はつい微笑んでしまった。
こんなことで嬉しくなってしまうのだ。
今は美香のことなんて関係ない。
あれは終わったことだ。
だから俺は今を精一杯楽しもうと思う。
それが今俺にとって一番やりたいことなのだから。
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