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「やっほぉ~すず~!」
急に後ろから声がかかって、私はビクッとした。
「え、映里?びっくりするじゃない・・・。」
「なにしょぼくれてんの~?すずらしくないぞ~!」
いつものように映里は私に話しかけた。
「そ、そう?私はいつも通りだけどっ!」
私は無理して笑顔を作った。
「なんで昨日は一人で帰っちゃったの?」
「えっと・・・そ、そう!お母さんに買い物行ってきてって言われたからさきに帰っちゃった。ごめんね?」
「じーーーーーー」
映里は私をじーっと見つめた。
「な、なによ映里?」
「すず嘘ついてるでしょ~!」
「え、そんなことないよっ!」
「それも嘘っ!私はなんでも分かるんだよ~!」
私はおとなしく言い逃れをするのを辞めた。
映里はこういうことには頑固だからね・・・。
「・・・やっぱわかっちゃう?」
「わかっちゃう。で、なにがあったの~?」
「・・・カズ君が知らない女の子とキスして抱き合ってるの見ちゃった・・・。」
「そっか・・・。それは悲しいよね。すずはカズ君のことが好きなんでしょ?」
「うん・・・。でもあんなの見ちゃったら・・・ね。」
「私が言えることは、まだあきらめるのは早いんじゃない?ってことくらいだよ~。」
「それってどういうこと?」
「もしかしたら・・・」
「もしかしたら?」
「矢江島君は無理やりそういうことをされたのかも~!!」
自信満々に映里は言った。
さすが天然女子ね・・・。そう心で呟いた。
映里と話してると悩んでた気持ちも少しはマシになった。
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